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乙女ゲームのヒロイン様は、悪役令嬢様のことが気になるようです。(悪百合フェミー目線)   ~パート2~

ユリット様は、本当に人気者だな~。

先ほど、貴族のご令嬢の方々が、ユリット様に

群がって、我先に!と、ユリット様に話しかけていた。

ユリット様は、少し困っていたように見えたけど、

どのご令嬢にも笑顔を絶やさず、談笑されていた。

あまりにも人数が増えたので、ユリット様が、テラスに行こう、

と提案されたことにより、いつの間にか、美術館のテラスでは、

お茶会が開催されていた。


私には、とうてい足を踏み入れることができない、社交界の世界。

私は、本当にユリット様の友達なのだろうか.....?

だって、ユリット様が住む世界は、

私たち平民が住む世界とは比べ物にならないほどの、

きらびやかな世界。

そんな世界の方が、私の友達なんて......

そう思うと、胸が痛くなる。


「何を考えているのですか?フェミー嬢。」

「ユリセス様......」

「私でよければ、相談に乗りますよ?」


この人を信じてもよいのだろうか.....?

でも、少なくとも、陛下よりは信用できる気がする。

そう考えた私は、ユリセス様に、思い切って本音を伝えようと決意した。


「実は.....私は、本当にユリット様の友達を名乗ってもいいのかと.....」

「ほう....それはユリット様に何か言われたのですか?」

「ち、違うんです!ただ、先ほどのご令嬢を見ていたら、

私なんかよりもずっときれいで.....

それに、ユリット様、私と話しているときよりも、

ずっと楽しそうな顔をしていたので.......」


なんでだろう。私は、ユリット様と住む世界が違う。

ずっとわかっていたはずなのに、どうしてこんなに

胸が痛くなるのだろう.....?


「ふふっ」


―私が思い悩んでいるのに、どうしてこの人は笑うのだろう。


「あぁ、すみません。あの笑顔が、あなたと話しているより

楽しそうなんて、あり得ませんよ?」

「えっ?それってどういう.......?」

「ユリット様のあの笑顔は、張り付けられた笑み。

あの方は、表情変化が乏しいので、楽しそうに笑って見えて、

案外、内心つまらないと思っていたりするんですよ?」

「えっ、そうなんですか?」

「えぇ、そうですよ。あなたにこのことをわざと

伝えなかったのは、あなたと一緒にいて、

自分の笑顔が作られていると思われたくないのでしょう。」

「そうなん、ですね。」


そっか、これはただの勘違いなんだ。

そう思っていても、なかなか胸の痛みは治まらない。


「自分がユリット様と吊り合えるのか....そう思っているのでしょう?」

「.....はい、その通りです。」


この人の前ではきっと、噓なんて通じないと思ったから、本音を話すしかない。


「きっと大丈夫ですよ。だって、ユリット様は、

自分からこの人は友達、と言ったのは、貴女が初めてなのですから。」

「....そうなんですね」


初めて知った。

―あぁ、そうか。私はまだまだユリット様のことをなにも知らない。


「まぁ、でも、本人に聞いてみなくては、わかりませんが。」

「そうですよね....ユリット様に話を聞かないかぎり、わかりませんよね」

「―でも、私は、貴女方がお互いのことを思いあっているのが

よく伝わってきます。」

「.....?それじゃあ、なんで、今日は私たちと一緒に、出掛けたんですか?」

「いえ、単に気になっただけです。どうしてユリット様が貴女を気に入ったのか。」


そういって、ユリセス様がそっと微笑む。

彼の笑顔は、きっと今は、本当の笑顔なのだろう。


「今日のユリット様の様子を見てわかった気がします。

......一つ、貴女にお聞きしてもよろしいでしょうか?」

「はい、何でも聞いてください!」


私のつまらない相談に乗ってくれたユリセス様に、

何かお礼がしたいと思った。


「では、遠慮なく。......貴女はユリット様のことを

どう思っていますか?単なる友達?それとも.....」


ユリセス様の言葉を聞いて、私は少し考える。

友達。それだけじゃ、私の気持ちは表せられない気がする。


「.......わかりません。」

「ふふっ、それでいいんですよ、フェミー嬢。きっといつか、わかる時が来る。

だからまずは、少しでも、ユリット様のことを知ってください。」

「はい。」


ユリット様のことを、私は全然知らない。

それでも、ユッリト様は、私に笑いかけてくれて、

私に友達だと言ってくれて.....

私は、何回も何回もユリット様に救われた。だから.....


「今度は私が救いたい......」

「えぇ、頑張ってください。」


すっと私は前を向く。

ユリット様が戻ってこられたら、色々なことを聞こう。

私はもっとユリット様のことを知りたい。

「ガオオオオっ!」

「なにっ!?」


―幸せを壊す、悪魔(魔物)が来なければ、どれほど私は幸せだったのだろうか......

乙女ゲームのヒロイン様は、悪役令嬢様のことが気になるようです。略してヒロ悪は

いかがだったでしょうか?

楽しんでいただけたら嬉しいです。

誤字報告してくださった方、ありがとうございます。

ついさっきまで、報告に気づかなかった.....←単なるバカ

こんな私の作品ですが、これからも見てくれると嬉しいです。

それでは、ここまでのご視聴、ありがとうございました

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