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024 また? またなの?


「……とりあえず、分かった。本来なら買い取り価格が下がる所なんだが、今回は直ぐに登録してくれれば規定額で買い取らせてもらう」


 素材買い取りと言うのは一般人が持ち込んでもやってくれるけど、その場合は多少安くなると言うことらしい。それを今回はこの後直ぐに登録してくれれば冒険者価格で買い取ってくれるそうだ。ギルド登録してる冒険者が迷惑かけた事に対しての迷惑料的な意味もあるらしい。私としてはお金はいくらあっても困らないのでありがたく受け取ることにする。


 ……ちなみに、年齢に関しては市民カードを見せるまで納得してくれなかった。

 そんなに老けて見えるのかと尋ねたら、一部分を見ながら背が低めの15~16歳位だと思った、との事。

 この胸部装甲の厚みが原因だったとは! というか、15~16だったとしてもこの身長だと低いのか。いや、まだ慌てるような時間じゃない!


 買い取り代金を受け取ってそのまま窓口に移動。ギルドマスターは奥の部屋に戻っていった。ちなみに買い取り額は一匹小金貨2枚。計12枚。一気にお金持ち。


「冒険者登録がしたいんですが」


「は? あ、え? 登録ですか?」


 こっちを見て、ノルンとベルをみて、またこっちを見て困惑する女性職員さん。そうだよね、まさか未登録だとは思わないよね。


「はい、登録です」


「あ、はい。登録ですね」


 なんとか持ち直したみたい。

 市民カードを提出して確認、ギルドの魔道具に魔力登録。更にノルンとベルも従魔として魔力登録。こうする事で街への出入りの際も面倒が無くなる。ちなみに冒険者ギルドへの登録は無料。この辺りはギルドによって違う。そしてギルドカード発行。あっという間に終わ、らなかった。


「ええと、11歳、ですか?」


 またか! またなのか! 一部分だけ凝視するの止めてくれませんかね!?


「11歳です」


「すみません、少しフードを取っていただいても?」


「……取らないとダメですか」


「出来れば……」


「……わかりました」


 諦めてフードを取った。黙り込んで私の顔を見つめる職員さん。見すぎ。あと、こっちをちらちら見てた他の冒険者達がざわついてる。


「あの、もういいですか」


「あっ! はい! もう大丈夫です。はい、11歳ですね。大丈夫です」


 後ろのほうで「11歳?」「……いける!」とか聞こえてくる。きっと気のせいだ。そのはずだ。あと職員さんもなぜか顔が赤い。

 その後幾つかの規定を聞いた。

 冒険者ランクについて。ランク上昇の規定。素材買い取りについて。依頼の成功と失敗の基準。討伐の年齢制限。問題行動や犯罪行為を行った場合の処罰。等々。

 大体は既に知ってることばかりだったけど、流石に聞き流さないでちゃんと聞いた。基本的には常識的な行動を取っていれば問題なさそうだ。

 それと、ギルドには資料室なるものがあるとの事。魔物の生態や薬草の詳細、絵姿。あとは、スキルについての資料なんかがあるらしい。

 スキルは覚えても詳細がわかるわけではなく、実際使ってみないと効果がわからない。それらのスキルの効果や習得する為の条件等、過去の冒険者からの報告等で集めた情報がまとめられているらしい。

 私の場合、鑑定スキルでスキル詳細はわかるけど、習得条件等はわからないからいろいろ便利そう。時間を見て見に行っておきたいかな?

 ちなみに利用者はあまり居ないらしい。皆脳筋なのか。それでいいのか、冒険者。

 話が終わるとやっとギルドカードを渡された。これで私も今日からFランク冒険者だ。


 登録も終わったので待っててくれたニコルさんと一緒にギルドを出る。お約束の新人いじめも無く、一安心。まあこんな大きい狼連れてるしね。噛まれるのは嫌だろう。


「ニコルさん、わざわざ待って頂いてありがとうございました」


「いえ、そもそもこちらが先に証言をお願いしたわけですから、この位は。それはそうと、この後はどうするおつもりで?」


「あー、それなんですが、どこか良い宿知りませんか? ノルン達も泊まれて、できればお風呂があってご飯が美味しいといいんですけど」


「そんな、貴方は命の恩人です! 是非私の家に!」


 やたらと家に泊めようとしてくるニコルさんに固辞して、何とか宿を教えてもらった。ニコルさんの家に泊まったら息子さん紹介されたりエルザちゃんの面倒押しつけられたりして色々と外堀を埋められそう。だから、ここは断固拒否。私は自由が欲しい。


 紹介された宿に着く。

 かなりお高い宿らしい。一泊食事付で小金貨一枚也。食事は朝昼晩出るけれど食べても食べなくても料金は変わらないとの事。街に着いた時点ではお金が足りなかったけど、今はオークを売ったお金がある。余裕。

 ……という訳でもないよね。追加料金でノルンとベルの分で銀貨5枚取られた。この宿、ちゃんと従魔や使い魔用の厩舎が厩に併設されてるのだ。これは早速明日から仕事がんばらないとだね。


 部屋に案内されて暫く休んだ後、食堂へ移動して晩御飯を食べた。パンと腸詰めと生サラダとスープ。量はちょっと多目。スープは多分、兎の肉かな? 野菜も沢山入ってたし、調味料の類も使ってるみたいで美味しかった。ここを紹介してくれたニコルさんに感謝だね。

 その後はお風呂へ。共同のようだけど、洗い場も広いし湯船も大きめだった。約一週間ぶりのお風呂にゆったり浸かって疲れを取る。やっぱり【洗浄】で誤魔化すのとは違うね。気持ちいい。

 ……ほかの女性客が妙にこっちを見てたけど、気にしない。シャンプーとボディソープを使ったら更に視線がより強いものになったけど、私は気にしない。


 風呂を上がったら髪を乾かして部屋で直ぐに就寝。矢張り疲れが溜まってたようで、朝は少し寝過ごした。


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