どうせ死ぬなら、遊園地に行きましょう!
自殺サイトって、知ってる?
知ってるに決まってるか、ここを見てる奴等なら。
念の為説明しておくと、自殺サイトっていうのは自殺したい人達が一箇所に集まって、練炭とか薬とか、とにかく適当な死に方で死ぬ事なんだ。
赤信号、皆で渡れば怖くないってか。笑わせる、無様だねぇ。
まあ、人が死にたい理由なんて人の数だけあるんだから、そんな物が出来たのも仕方ないよね。寧ろこれ、死にたい、でも一人で死ぬのは怖いって人にとってはとっても!おすすめだよね。
偶に失敗する連中もいるけど。ビビってる奴がいたり、未練があったり。
死んでもいっかーって気持ちにさせる事って、大切じゃない?下手に心残りが有って、死にそびれる方が悲惨だよ。
……薬剤を飲んで胃に毒が流れ込んで、内臓を溶かしたりとかな。肉がドロドロんなって、でもまだ死ねない。やっと死ねたと思ったら、腹ん中はミキサーにかけられたみたいになってる。
何時間苦しんだのやら、誰も助けてくれなくて、一人悶え苦しむの。そんな悲劇を起こさない為にも、心置き無く死ぬって大切だよね。
……楽しんでから、楽に死ぬ。それこそ理想的な自殺法じゃないか?
そう!そんな死にたいあなたにオススメの場所があるの!その名前は……裏野ドリームランド!
もう廃園になったって?馬鹿だな、だから良いんだよ。
遊びに行くんじゃないんだから、明るくて騒がしいだけの遊園地なんて何の価値があるの?死ぬなら雰囲気も大切だよ。アクアツアーの水に沈むも良し、メリーゴーランドで振り子になるも良し、観覧車から落ちるも良し。ほら、好きなだけ死に方が有るでしょう?
単純に見て回って、気分を盛り上げてから好きな所に移動して死ねば良い。
大丈夫、不法侵入なんて考えなくて良いよ。
だってお前は死ぬんだから。
裏野ドリームランドはあなたを待っているんだから。
〈2017-8-03〉
* * *
自殺サイトでふざけた書き込みを見つけたのは、やっと見つけたバイトを首になった夜、なけなしの金を払ったネカフェだった。
家族も友達もいない。金も仕事もなく、唯一残す借金は踏み倒した。
持ち込んだカップの安酒を呷りながら、何日も風呂に入っていない垢だらけの腕を擦る。
自殺したい訳じゃない。偶々、興味があって覗いただけだ。けれど、遊園地で自殺と書かれた一文は目を引いた。遊園地で。
裏野ドリームランドについて調べれば、ここからそう遠くない事、本当に廃園になった遊園地だと分かった。
何も良いことがなく誰にも必要とされない、下らない人生だ。
生きているか死んでいるか分からないなら、今こうやって苦しむ必要は無い。
手の震えは収まっていた。気が付けば、ページのコメントする欄を、クリックしていた。
* * *
約束の日時、集合場所のゲート前には俺含め4人の男女がいた。
太った男と、ジジイと、若い女。
最初に俺に気付いたのは女だった。
24、5歳だろうか。薄紫のワンピースと踵の低いサンダルを履いた、桃色の唇をした美人だった。
デブと話していた所俺を見つけて、丁寧なお辞儀をした後こちらに来た。薄いが、丁寧に化粧もしているらしい。細い眉が美しくサラサラの髪が音を立てそうな、本来なら関わり合いになれないレベルの美人だった。
「貴方が、自殺オフの主催者様ですか?」
やや緊張した面持ちで聞いて来た美人の質問に首を振ると、驚いた顔をされる。どういう事なのか聞くと、3人はあの書き込みを見て集まった事、しかし肝心の主催者が来ないのだと語った。
いつの間にかデブとジジイも近づいて来ていた。主催が来ないなら中止か?と、白い頭が禿げている、皺だらけのジジイが言った。
おいおい冗談じゃない、俺はこの為に○○からやって来たんだ、中止なら交通費を返せと、頻りに汗を拭くデブが美人の胸元を見ながら言った。
こいつが逃したくないのは交通費じゃなくて美人と関わるチャンスだろう。死にに集まったのに、呑気なものだ。
けれどそれは俺も同じで、ここで俺が帰ったなら美人とデブが残されることになる。それはどうにも面白くない。だからデブに舌打ちされようと睨み返して、俺は行くぞと答えた。
ゲートは開いていた。
潜るとガチャリと、鍵が閉まる音がした。
驚く女に、古いからだろう入口以外からでも出れるさと馴れ馴れしく声を掛けたのはデブで、死ぬんだから出る必要なんてないだろうとジジイに言われて茹で蛸になった。
深い理由もなく散策してみる。冷やかし半分でこの遊園地の噂を調べて見たが、どれもこれも馬鹿馬鹿しい、嘘くさい物ばかりだった。
女に話しかけようとするデブを牽制しつつ、フケの溜まった頭を掻く。興が削がれた。美人と歩けるのは悪くないが、結局はこんなものか。女がいなけりゃとっとと帰っていた。
煙草が欲しくて、もう随分そんな嗜好品には有りつけていない事を思い出した。帰ろうが、居場所などない事も。舌打ちをする。
数十本ぶつ切りにされたケーブルの束が、柳のように揺れていた。
暫く探索した後、突然女がアトラクションに入ろうと提案して来た。彼女もこの遊園地の噂を調べたらしく、ドリームキャッスルに興味があるそうだ。面倒だったが、デブの鼻白んだ顔がムカついたのでついて行くことにした。
向かった建物は古く、壁を親指で擦れば塗装と煤が指についた。何処と無く鉄臭い。裏口から入れますよと作り物の城の裏手に回ったのは女で、侵入して先頭を歩いたのはデブだった。
通路は狭く、デブ、女、俺、ジジイの順で歩く。
こんな所に何があるんだいと鼻を伸ばして聞いたデブに、秘密の地下室なんて素敵じゃないですかと女が答えた。その素敵な地下室は噂によると拷問部屋らしいが、女は知らないのかもしれない。
ならわざわざ言う必要も無いだろう。蜘蛛の巣だらけの石の燭台を避け、目の前の女を見る。
見れば見るほど美しい女だ。10人いたら10人が美人だと断言する美貌で、明るく、話しやすい。
こんな女が、どうしてこんな自殺集団の中にいるのだろう。
この女は本当に、自殺に来たのか?
考えながら歩いていると、少し開けた場所に出る。
広間の設定だったのだろうか、普通より豪華で、遊園地としてはそこそこな規模だった。
石造りの立方体の部屋で、俺達が入るとガコン、と重い音が響いた。
中心部みたいだな、とデブが呟いた。寒いとジジイがぼやく。
狭くも、広くも無い空間だ。ふらふらと女が歩きだし、そのまま全員がばらけて行動した。
屹度一分も経っていなかっただろう。ジジイが壁に寄りかかった所為かもしれないし、デブが柱の彫刻に触れたからかもしれない。俺が踏んだ、凸のある床のタイルかもしれなかった。
部屋をうろついて色々なものに勝手に触れて、とにかく何かがスイッチだったのだろう。
……いきなりバン!!!と大きな音がしたかと思うと床の中央のタイルが沈みこみ、さっきまで無かった下に続く階段が現れた。
女は白い手で口元を抑え、デブは床が動いた衝撃で転び、ジジイは倒れた。
しばしの後、恐る恐る階段ですねと呟いた女に、頷きだけで返した。
あり得ない噂ばかりだと思っていたが、真実もあったらしい。なら下にあるのは拷問部屋という事になるが、それは流石に無いだろう。
如何するか、問いかけようとする前に女が言った。
「ーー私、この下に行ってみたいです」
慌てて美しい顔を見るが、瞳の決意は固い。考え直すように言い募る前に、デブが俺も行こうと喚いた。
如何したって女から離れる気のないようで、お前は邪魔だと言わんばかりに睨まれる。腹が立っていっそ置いて行こうかと考えたが、ジジイも付いて行くとこちらに来た。3人とも行くらしい。
ならば一人で帰るのも味気ないと思って、付いて行く事にした。
階段は今迄以上に埃臭く、歩けば歩く程咳が止まらなくなった。見下すように俺を見たデブが、二手に分かれる事を提案してくる。時計は持っているだろう一時間後にこの場所で合流でどうだ、ああ君は時計を持っていないな帰ったらどうだと。いっそ殴ってやろうかと思ったが、同調したのは女だった。
それは良いですねと微笑み、鼻を伸ばしたデブが一緒に回ろうとブヒブヒ鳴くのに頷く。裏切られた気分になって、舌打ちした。
組み分けは女と豚、ジジイと俺。待ち合わせ時刻は豚が更にブヒブヒ言って二時間後になった。偉ぶって鳴く豚を無視して、暗い通路の二人と反対側を進む。天井から垂れ下がる蛍光灯が、点滅した光を放っていた。
この地下は、模造の城の管理室だったらしい。
少し進んだ先、埃が積もってキーボードも読めないコンピュータが沢山置かれた部屋を見つけた。勿論電源は付いてなく、画面が割れたガラクタも多い。しかもかなり古いものらしく、どこか破損しているのか鉄臭い。鼻がもげそうな臭いだ。
蛇のように床を這うケーブルを踏みながら、暗い周囲に眼を向ける。まるで何かの研究室のようだなとジジイが呟いたのが、やけに印象に残った。
埃の積もった床の上に、長方形の薄い物を見つけた。拾って光で翳すとスマホで、暗くて良く見えないが、プリクラが貼ってあった。これの持ち主は安っぽいギャルだろう。電源を付けると画面に光が灯る。待ち受けは茶髪を巻いた女子高生の自撮りで、左上を見ると圏外の文字が頼りなく眠っていた。
残念な事にパスワードが掛かっていたのでそれ以上何も分からず、三分と経たずに充電が0になった。
目ぼしい物は何もなく、これ以上ここにいても喉が痛むだけだ。さっさと次の部屋に行こうとジジイが言ったので頷いて、後ろを歩いた。
部屋の奥、鍵の壊れた銀色の扉があった。
重い音を立て開けると、その向こうにナニカいた。
続く廊下の突き当たり、奥の奥に、人より一回り大きい、何かがいた。
鳥肌が立つ。
見開いた眼を凝らした瞬間、バチンッと水風船が割れる様な音がした。元より危うかった蛍光灯が完全に命を終わらせ、扉の向こうが完全に闇に包まれる音だ。
勘違いだったかと思って否定する。何かいた。あの向こうに、この闇の奥に、確かに何かがいたのだ。
思わず後ずさっていた俺を見て、ジジイが怪訝な顔をする。さっきの影を見ていないらしく、進まんのかと声を掛けてくる。返事ができず、更に後ずさった。
不穏な雰囲気に気が付いた老人が、不満げに身体をこちらに向ける。扉を閉めて、手をドアノブから離す。
ガタガタガタガタガタガタ!
と、引きずる音が響いた。
勢い良く扉が開いた。
金属製の板の向こう、化け物がいた。
それは、首が二つある怪物だった。
片方の首は髪が長く、鼻が削げて頬が爛れて笑っている様に見えた。もう片方は茶色い散切り頭をしていて、両目を釘で打ち付けられて、喉仏が見える程口を開いていた。
扉を潜り抜ける為に、それは身を屈めていた。
布の塊をごっちゃに纏わりつけた様な、元の服が中の肉に耐えきらず裂けた様な服だった。どの繊維の塊も赤く染まって、時折黒く変色して蛆が溜まっていた。
首、肩、胴体と、ゆっくりとそれはこちらにくる。
継ぎ接ぎした跡が、腕や足に有った。病的に青白い細い腕と健康的なシルクの肌が、マーブル模様になっていた。
上半身乗り出したそれは、硬直したジジイを見つけた。
見つけて、そして、目の見えている方の首が。
にっっっっっっっったりと、わらった
人の二倍程の長さの腕だった。
生臭い腕が玩具を握る子供に似た乱暴さで、皺々で和紙の如き首を掴む。凄まじい早業だった。
ゴギャ、と嫌な音が響いた。
持ち上げられたジジイが、ぷらんと揺れた。
動かなくなった獲物を、怪物は二つある口元に運ぶ。ぐちゃ、ぐじゃと咀嚼音が響いた。
髪も服も気にする事なく、食べ辛いらしく時折骨を引き抜いて、大口で噛み付いて、千切って、また食いついた。
垂れた血が、涎のようだった。
やっと動けたのは、それが粗方獲物を食い終わってからだった。
十分程か、数時間経っていたのだろうか。かつて人だった老人が原型を残さなくなって、床に落ちた腑を啜り終わったそれは、俺を見た。
見て、手を、伸ばした。
叫んでいた。喉が痛かった。背を向けるのが恐ろしくて、けれど逃げなければどうなるのかだけははっきり分かっていた。全力で部屋を飛び出し、来た道を走った。かだがんがとどざ。後ろで化物の音がする。
視線を感じる。小さな蜘蛛の一匹残らず、俺を見ている気がした。
やっと階段の在る筈の場所に戻ったら、上に行く階段は存在しなかった。
何もない、ただの床だった。
後ろで、嘲りの笑い声がする。
一本道だ。上に行けないなら、戻れないなら、進むしかない。肉を押し潰す音がして、思わず叫びながら駆け出した。
突き当たりに部屋があった。争う声が聞こえた。
構わず開けると、デブと女がいた。
埃だらけの部屋の机の上に、女は押し倒されていた。
服の胸元が裂けて、デブは鋏を持っていた。
助けてと女が叫んだ。
邪魔するなと豚が鳴いた。太いジーンズの前を開けてパンツを下げようとしていた所だった。
二人に駆け寄って豚を殴り飛ばす。然程威力は無く、殴り返された。頬を切ったらしく、血の味がする。
つんとした痛みがして、さっきまでの鉄臭さは血の匂いだったんだと分かった。
豚が何かを叫ぼうとした瞬間、奴が来た。
下半身を引き摺りながらも俺たち三人を見て、獲物が増えたと言わんばかりに笑って手を伸ばした。
最初に動けたのは俺だった。伸ばされる手に向かって、豚を全力で突き飛ばしていた。
8本の指が脂肪まみれの顔面を掴む。
握り潰そうとして上手く行かなかったのか、鼻がひしゃげて目玉が飛び出した。もう一本の手がぶくぶくと太い腕を掴んで、べぎっと反対にへし折った。
足も折り、頰の肉を千切る。男も床も、あっという間に血塗れになった。
俺は逃げ出した。後ろで女が着いてくる気配がする。
痛い助けろと叫ぶ声は、じきに聞こえなくなった。
どれほど走ったか、部屋を超えて走って走って、奥の奥に来た。殆ど何も無い部屋だ。唯一有るのは、壁に取り付けられた1m四方の金属板。
上に、緊急避難用エレベーターと書いてあった。
荷物を運ぶ為と勘違いしそうな程小さいそれに近付くと、勝手に板が開いた。
中には人一人なら入れそうな空間があった。
これに入れば、助かるのだろうか。
けれどこの小ささ、どうやったって一人しか入れない。俺と女、何方かがここで待たなければいけない。
急かすように、後ろで引きずる音が聞こえる。
振り返ってその事を女に伝えようと思った。
身体を横に向けた瞬間、脇腹に痛みが走った。
痛みの先には、鋏が刺さっていた。
女が、俺の脇腹に鋏を刺していた。
ごめんね?と、柔らかい微笑みを浮かべた女が、鋏の取っ手を捻る。腹を掻き回される耐え難い痛みがやって来て、冷や汗を垂らしながら膝をついた。
動けない俺を置いて、女がエレベーターに乗り込む。
身体を押し込んでいっそ優雅に、冷たい視線が俺を見た。
「じゃあね、さよなら」
金属板が閉じる。
後ろで扉が開いた。さっきよりずっと鉄臭くなった化物が、俺を見た。
痛い。痛くて逃げる事も出来ない。
手を伸ばすそれを、絶望を持って受け入れた。
ぼきと、嫌な音が響いた。
* * *
揺れる金属音に包まれながら、私は唇を噛み締めた。
如何して。
如何して、こんな事になってしまったのだろうか。
昔から、死を見るのが好きだった。
生命が永遠に動きを止めるその瞬間が好きで堪らなくて、小さい頃は色々な虫を殺したし、学生になれば猫などの動物にも手を伸ばした。
人が死ぬ姿を見たいと思ったのは、ごく自然な事だった。葬式の飾られた抜け殻じゃなくて、目の前で断末魔をあげる人間が見たい。
そして見つけたのが、自殺サイトだった。
沢山の自殺オフに参加した。勿論死ぬ気は無いので、全員死んだタイミングを見計らっての途中参加だけれど。偶にいる死にそびれた人に、トドメをさしてあげる事もあった。
あの書き込みを見つけたのは偶然で、参加したいと思うのは必然だった。
自殺オフの主催は天才だと思った。ただ死ぬだけの人間を見るにも退屈して来たこの頃、想像するだけで心が浮き立って、思わずクリックしていた。
勿論目的は面白い死に方をする人間を眺めるだけなので、いざ自殺となっても上手く切り抜ける自信はあった。
なのに、本当にーーー如何してこうなったのか。
メンバーを見た時、はっきりとハズレだと思った。
面白みのない老人と肥満体と不潔な貧乏人。主催者の正体がこんなつまらない存在じゃないだけでも良かったと思い直して、ドリームキャッスルに行こうと提案した。地下室の拷問部屋に興味があったから。
驚く事に本当に地下があって、二手に分かれると言う提案も頷いた。さっきからジロジロとこちらを見てくる肥満体を、そろそろ殺してやろうと思ったから。
汚い男に関わられるのは、とても不愉快だった。これ以上近づくならタイミングを見計らって殺そうと思った。
案の定、肥満男はすぐに不快な言葉をほざいてきた。
君が心から好きなんだ一緒に外に出て生きようきっとこれは運命なんだ僕らは運命で結ばれているんだよ。
長々しいポエムを並び立てて喚く不細工に、思わず気持ち悪いと返していた。
気持ち悪い、あんたに興味がある訳ないじゃない。馬っ鹿じゃないの?
逆ギレされて落ちていた鋏で脅されたけれど、まさかあんな化物がくるなんて。
焦燥と一抹の恍惚を覚えながら、唇を舐める。
目の前で男が殺されて、抱いたのははっきりとした興奮だった。あんな気持ち悪い圧倒的な怪物に、ゴミのように人が殺される姿は確かに追い求めた物だった。
けれど自分が殺されたい訳では決してなく、だからエレベーターに乗れる人数が一人ならば、貧乏人を刺す事に躊躇いはなかった。敢えて言うなら、あの男が死ぬ様を見られないのは残念だ。
ごぅごぅぶぅーーーーーーん。
エレベーターが動く。動く。動く。
ごぉんんぶーーーーーーーーーん。
そういえば随分長い間動いているが、まだ上にはつかないのだろうか。
ぐぁーーーーーーんぶぉーーーーーーーーーん。
これじゃあ足がむくんでしまう。
グゥォーーーーーーーワーワングァーーーーーーン。
あれ?もしかして、このエレベーター。
グァグゥァァァアーーーーーーーーーーー!!!!!
した、に。
むかってないか?
……………………………………ガダン。