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第52話 ミスリルの剣で上機嫌!

今回は少し短めですが、楽しんでいただければ幸いです!


Cランクに上がり、気持ちを新たに邁進する俺達【トラストフォース】。

リペアフルードでも完璧な修繕も難しくなってきている俺達の装備を新調するためミスリルで作られた武具を手に入れると言う、ファンタジーものが大好きな俺の願いが叶って今日も楽しく(?)冒険に出る日々を過ごしていた。



武器を新調したその翌日—————


「ガオオォォォ!」

「皆、作戦通りに!」


俺達はCランク向けのクエストである“メガベアー”の討伐に離れの森林に赴いていた。

“メガベアー”はレア度Cで、体長は約5メートル近くもある巨体が特徴の熊みたいなモンスターだ。

加えて鋭く太い爪や牙も生やしており、まともな接近戦だと相当厄介だ。


「まずは目晦まし!」

「【炎魔法LV.1】『ファイアーボール』!」

「ぐもおぉぉっ?」


クルスの炸裂弾とミレイユの【炎魔法LV.1】『ファイアーボール』によってダメージを与えつつ煙幕を張って攪乱させていく。


「【氷魔法LV.1】『フリーズショット』!」

「グオォ?」


次にミレイユの【氷魔法LV.1】『フリーズショット』で“メガベアー”の両脚を氷漬けにして、動きを封じていく。

強烈なパワーですぐに抜け出されてしまうが、数秒稼げれば十分だ。


「フンッ!」

「ガアアァァァ!」


隙を突いてクルスが“メガベアー”の左眼球を鋭い斬撃で切り裂いた。

ロングナイフとは言え、ミスリルの刃なだけあって、しなやかながら固い外骨格の顔にいとも容易く深手な傷を負わせられた。


「【剣戟LV.2】『ツイスタースラスト』!」

「【剣戟LV.1】『斬鉄剣』!」

「ギャアアァァァ!」


俺とセリカのコンビネーションでそれぞれ心臓を貫き、喉元を切り裂いた。

完全な致命傷を負った“メガベアー”は倒れながら光の粒子となって消えた。

同時に魔石や毛皮に加え、大きな生肉も落ちていた。


「あれ、この肉の塊って……?」

「“メガベアー”の食肉ですね。主に焼き物や揚げ物に使われており、適切な調理をして食べたら美味しいですよ」

「動物系のモンスターを狩ると色々お得かもな」

「今まではゴブリンやオーガなどの動物系ではないモンスターとの戦闘がどちらかと言えば多かったのもありますけどね……」


モンスターから出る食肉はギルドに持ち帰ればギルド飯の一部だけでなく、酒場やレストランで使用されるため、欲しがる人は意外なくらいに多い。

家畜用モンスターにはない旨味があるともっぱらの評判だ。


「それにしても、凄い切れ味ですね!ミスリル製の剣」

「あぁ、スキルを使った時に力が以前より漲る感じがしたよ!」

「私もです!」

「僕も、“メガベアー”の眼窩底まで切れた感触がありました!」


今回のクエストは一体のモンスター討伐である事から、手に入れたばかりのミスリル製の剣を試すのも兼ねて引き受けた。

結果は上々で文句なし、前に使っていた剣よりも切れ味も扱いやすさも格段に向上しており、俺とセリカ、クルスも手応えを感じている。

『ロマンガドーン』の店主さんも「ミスリル製の武具は手入れを怠らなければ何年も問題なく使えるし、売る時も結構な値段になる」とも言っていたから、ギルドに戻ったら速やかにやろう。


「確かに確認できました。これでクエスト達成とします」

「ありがとうございます!」


俺達は完了報告を行った後、報酬で70万エドルが入った革袋をもらった。

“メガベアー”からドロップされた素材も換金してもらい、生活費に充てつつも、武具の新調やアイテム購入に備えて蓄える事も忘れずにやっておいた。

未来への投資も良いが、当面の生活を賄う貯蓄も大事だからね。


「フン、フッフッフン~~~!」

「トーマさん、普通のメンテナンスをしているだけなのに随分とニコニコしていますね」

「鼻歌しながらなんて、よっぽど嬉しいのでしょう。かく言うワ・タ・シ・も……」

「確かにこの鮮やかな銀色、鋼でできた剣にはない輝きですね」


俺達は併設スペースで速やかに武具の修繕を行った。

早ければ早いほどいいのは本当だが、新品の鏡のように透き通った神秘ささえ感じさせるこの銀色の輝きが素晴らしい。

俺だけでなく、クルスもどこか上機嫌であり、セリカもいつもより少しテンションを上げながら剣を磨いていた。

ミスリルの剣を扱う冒険者を見た事はあれども、自分が使うとなればやはり話が違うからか、否応なしに気分が盛り上がらせる魅力があるんだな。ミスリルで作られた武器って……。

俺なんて買った時からテンションがいと上がりけりな信条だからな……。


「よし!保守も完了したし、この後どうする?」

「回復ポーションを買ったら、鍛錬したいです!」

「私も賛成です!」

「僕も、このロングナイフを素振りしておきたいです!」


それからポーションを数点購入した後、自宅に戻って鍛錬する事になった。

俺とクルスは組手をし、セリカとミレイユは筋トレや自主トレに勤しんだ。

武具の新調が出来た事以外はいつもの日常を過ごせた一日。


明日も良い日になりますようにと願いながらその日を過ごした。


「面白かった!」

「続きが気になる、もっと読みたい!」

「目が離せない!」


と思ったら、作品への応援をお願い申し上げます。

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