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【第4部〜西洋の神々編〜】  第9章 西洋の神々①

 朝食を皆んなで食べた。舎脂シャチーがいた。そりゃいるだろう。でも思わず身構えてしまう。私は気付かなかったが、帝釈天インドラが私を襲おうと狙っていたらしい。舎脂シャチーは、夫の浮気心に異常なほど敏感だ。恐らく気付いているに違いない。その上で私を品定めしに来たのだろう。女の嫉妬心ほど恐ろしいものは無い。

 漢の高祖・劉邦の妻、呂后などが良い例だろう。劉邦の側室である戚夫人は寵愛を受け、劉邦は戚夫人との間に出来た息子の如意を後継ぎにしようとまでするが、これは張良ら重臣達の大反対によって諦めた。この事をずっと根に持っていた呂后は、劉邦が亡くなり実権を手にすると、戚夫人を捕らえ、如意を殺害した。戚夫人は、両手足を斬り落とされ、両目を抉って両耳を潰し、更に薬で咽喉を潰した。その後、便所に放り込んで「人豚」と呼び、尿をかけて嘲笑って報復したのは余りにも有名である。

 この様にして、女の嫉妬心ほど恐ろしいものは無い。私も前ループで舎脂シャチーからは、顔が潰れるほど殴られた。更に梵天ブラフマーの妻である弁財天サラスヴァティには、身動き出来ない様に括り付けられた上で身体を切り刻まれ、お腹を割かれて内臓を引き摺り出された。それでも不老不死の私は死ぬ事が出来ず、地獄の苦しみを数日に渡って味わされた。

「お目にかかれて光栄ですわ」

心にも無い社交辞令を述べて、舎脂シャチーは私に話しかけて来た。私も恭しく返事をした。値踏みした目で見られ、(こんな女の何処が良いのかしらね?)そんな心の声が聞こえて来る様だった。

 ロードが睨みながら間に入って来たのでハラハラした。剣は帯びられないので、素手である。舎脂は拳聖SSSだ。素手では絶対に勝てない。前ループでロードは子供を守る為、素手で殴りかかって返り討ちにあった。今ループでは、ロードは帝釈天インドラの子を生んでいないから、舎脂シャチーは殴りかかっても非を認めず、手加減も加えないだろう。ロードは殴り殺されるかも知れない。

「ふふふ、貴女、名前は?」

「バスター・ロードだ」

「!?まさか、剣帝様の関係者ですの?」

「剣帝は我が父だ」

「剣帝の娘…?ふ、あはは。良いわ。貴女の事、気に入りましたわ。あはは」

舎脂シャチーは、ロードが剣帝の娘だと聞くと、ご機嫌で去って行った。

 ロードは冷や汗をかいていた。

「ロード、シャワー浴びて来る?」

「えぇ。強いな…」

ロードは呟く様に言うとシャワー室に向かった。

 私達は朝食を摂ると、善法堂に集められた。

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