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第三話「ゴブリンチケット」

何か、汚い話が挟まった気がする。(*´∀`*)




-1-




 若い頃……いや、今でも若いつもりなんだが、営業として駆け出しの頃、先輩に教えられた事がある。

 当時、ロクに調べもせずに就職に失敗して貴重な新卒カードを無駄にしてしまった俺は、繋ぎとして就職した職場で上手く適応出来ずにいたのだが、そんな時に言われた言葉だ。もちろん神様に言われてガチャを回す仕事ではなく、電車事故が起きるまでに勤めていた商社での事である。


『無理やりでも勢いつけて動き出せば、大抵の事はなんとかなるもんだ。とりあえず電話して、とりあえずノックして、とりあえず話しかけてみて、とりあえず歩き出す。そうすれば、とりあえず進展はする』


 同じチームに所属していた数年上の先輩は、外回り中に休憩として入った喫茶店でそんな事を言い出した。

 中々にエネルギッシュな人で、一切関わりがなかったプロジェクトの営業が倒れた時に緊急で投入されて、ロクに資料もないまま口先だけで上手く事を進めた事もあるという強者である。逆にやらかしてしまったという逸話も多い、職場でも話題性に富んだ男だ。


『普通になんとかならない事も多そうですが』

『なんとかなるっていうのは、取引や交渉が上手くいくかどうかって意味じゃないぞ。物事が進むかどうかって事だ。立ち止まるよりはよっぽどいいだろ』

『失敗したら、とか考えません?』


 確かにノリと勢いで大抵の事は乗り切ってしまう人ではあるが、勢いそのままにその場で会った風俗嬢と出来ちゃった婚をしたという前歴を持つので、彼の言う事は鵜呑みにしてはいけない。ガッツリ避妊に失敗している。

 まあ、この時はそんな事実は知らなかったし、営業と私生活ではまた別の話ではある。


『そんな時は悩んでたって失敗する。なら、さっさと失敗して反省なり別の事をするなりしたほうがいい。それが取り返しのつかない失敗だとか、命がかかってるっていうならともかく、俺は営業やっててそんな場面に出くわした事がないからな。交渉失敗したら会社が傾くような仕事を下っ端の営業に投げるなら、その上司の存在が失敗だ。入る会社を失敗してる』


 そりゃそうだ。ドラマのように進退がかかった営業なんてそうそう縁があるはずもない。そういうのは経験を積んだベテランの仕事であって、ロクに経験のない新人の仕事ではない。そして、そのベテランだって数え切れない経験の中に多数の失敗を積み重ねてその立場へと至ったはずである。

 この先輩が言っている事は単純で、要するに失敗してもいいから足や手を動かせって事だ。


『だから、俺はここで優雅にコーヒー飲んでるから、お前は一人で客先に行って来いっていう話だ。骨は拾ってやる』


 そしてそれは、俺が初めて一人で客先に行く直前に交わされた会話でもあった。

 当然の如く営業は失敗……以前に何が問題だったのか、何が足りなかったも分からないまま終わり、先輩に笑われながら反省会という名の飲み会へ連れて行かれたのを覚えている。

 その先輩が言っていた事が全面的に正しいとは思わないが、今でもこの何気ない会話が俺の根底に染み付いているのは間違いない。


 それからというもの、俺はノリと勢いというものを重要視している。そして、足を止めてしまった時、どうすれば最初の一歩を踏み出せるかを考える。仕事でも、私生活でもだ。

 特に、何か大きな失敗をして反省という名の後悔が頭を支配してしまった時は、何も考えずに行動する事を心掛けている。一度足を止めて蹲ってしまえば、自力で立ち上がる事は難しいと知っているからだ。

 緊張、恐怖、不安、そういった足を止める負の感情は、立ち止まったままでは克服し難い。時間や他者の手によって解決するかもしれないが、状況がそれを許してくれるとは限らない。

 時間が解決してくれるかもしれない。その時間がないかもしれない。

 誰かが手を差し伸べてくれるかもしれない。そんな都合のいい相手が都合良くいる事は稀だ。

 受動的に立ち上がらせてもらえるとは限らないし、あまりにも不確実だ。期待するのは間違っている。そして、俺はむしろそうなってしまう事に不安と恐怖を覚えてしまう。


 だから、無理にでもゴブリンもどきとのリベンジマッチに挑んだ。少なくとも命だけは保証されている事は確認済みだから、と自分を誤魔化して。

 もちろん、生きてさえいればそれでいいという狂った思考はしていない。保険があろうがなかろうが痛いものは痛いし、怖いものは怖い。一度死んだからといってもう一度死にたくもない。慣れてしまう事だって怖い。

 そういった意味では、先輩から教えられ、自分の中で形を変えて残る教訓は、極限の状況に追い込まれて唯一縋れる命綱のようなものなのだろう。




 そんな事を思い出して、ふと気が付くと天井を見上げていた。装飾も何もない、石造りの天井だ。


『目、覚めた?』


 眠気覚ましと言わんばかりに、マイクを通した大音量の音声が耳をつく。

 体を起こしてみると、そこはゴブリンもどきと死闘を演じた部屋だった。……いつの間にか気を失っていたのだろうか。


『倒したのを確認して緊張が解けたんでしょうね。別に死んだわけじゃないから気にしなくていいわ』


 確かに、最後の記憶はヤツが粒子化した場面だ。無我夢中だったが、よほど緊張していたのだろう。

 程度は違うが、大きな案件を纏めた直後、家に帰った途端に気を失うように寝て、折角の代休が丸々消えた時の苦い経験に似ていなくもない。


「これでチュートリアルは終了って事か?」

『まだ終わりじゃないけど、戦闘とかはないわね』


 そういえば、幼女二号の手にはマイクがある。俺が借りたものを回収したのか、それとも予備か。どちらでもいいといえばいいが、マイクを通して喋るのは基本スタンスなんだろうか。


『これは、常に実況中であれという心構えよ』


 口に出してはいないのだが、考えていた事が伝わったらしい。常に実況中っていうのがどういう心構えかは良く分からない。


「それで、後は何をするんだ? とりあえず拠点に戻るんじゃ……」


 部屋の奥へと視線を向ければ、何やら魔法陣のようなものが床で光っている。おそらくアレが拠点帰還用のゲートとやらなんだろう。


『帰るのはちょっと待ちなさい。そのまま帰ると、それなくなるから』

「それ?」

『そのカードよ』


 言われて気付いたが、手にカードを握っていた。……あのゴブリンもどきが落としたやつか。無意識の内に拾って握りしめていたのだろう。


「これ、なんに使うカードなんだ?」

『ノーマルチケットと同じ、ガチャ用のチケットよ。そこら辺は拠点に戻ったら説明するから、とりあえず貸して』

「あ、ああ」


 ガチャか。まさか、これでガチャを回すとゴブリンが出てきたりするんだろうか。

 言われたまま、強く握っていたカードを渡そうとするが……握っていた手が開かない。他のカードと同じく歪みもしていないから、全力で握っていた俺の手のひらと第一関節は鬱血気味だ。

 ガチガチになった右手の指を左手で引き剥がすようにしてカードを回収する。……くそ、今になって気付いたが、手がめちゃくちゃ痛い。爪も何枚か剥がれてやがる。


『痛そうね。拠点に戻ったら治るから、しばらく我慢しなさい』

「動画ネタ的には、ここは傷に触ったりして反応を楽しむところじゃないのか?」

『悪趣味なネタに手を出すほど困ってないし。そういうのは、あんたがチュバ夫として慣れてきたら、忘れた頃にさり気なくやるから』


 つまり、俺はチュバ夫じゃないから今後やられる事はないと。ついでにガチャ太郎でもない。あくまで、ガチャを回す仕事を強制されている加賀智弥太郎だ。


「それで、そのチケットをどうするんだ?」

『本当はちょっと違うけど、とりあえずの処置として……こうするわ!』


 カードを渡すと、その直後それがこちらに向かって投げ付けられた。俺が拠点入り口でやっていたのよりはるかに慣れた、スムーズな動作だ。

 しかし、飛んできたカードは俺に当たる直前に光の粒子となって霧散してしまった。


「……なんだ、消えた?」

『反応うっすいわねー』


 リアクションで飯を食うチュバ夫じゃないからな。特に今は色々と感情が馬鹿になってる状態だから、反応は面白くないと思う。


『さっきのカードはあんたのフリーゾーンに突っ込んだから』

「フリーゾーン?」

『あんたの中にカードをしまっておく場所があるのよ。その中に入れておけば拠点に戻っても失わずに済むって事ね』


 新しい単語が出てきたが、つまりそこに入れておけばカードを持って歩けるって事か。必要があるのか知らないが、ボールペンもカップ麺もダンジョンに持ち込めるって事かな。


「その説明は?」

『戻ったらするわ。じゃ、ゴールに向かって走るのよっ!』


 なんで走る必要があるのか。ゴールであるはずの魔法陣までは、数メートルくらいしかないのに。

 仕方ないので、ガチガチに強張っている体を解すように立ち上がり、歩いていく。


『なんで走らないのよっ! そこはノリで全力疾走でしょっ!! 再生数稼げないわよ!』


 走ったら、俺の中のチュバ夫ポイントが上がってしまう気がするからである。再生数を稼ぐ必要はまったくないのだ。そういうのは、未来で彼女の使徒となった人に託したい。

 幼女二号の雄叫びを聞きつつ、魔法陣の前へとやってくる。一体どういう仕組みなのかは知らないが、魔法陣の模様に合わせて床から光が立ち上っている如何にもファンタジーな光景だ。


「よっと」


 とはいえ、ファンタジーはすでに殴り殺してきた。それに比べれば、現代科学でも頑張れば再現できそうなエフェクトなど今更だろうと、足を踏み入れる。

 ……その直後、俺の周りに光が集まり、視界が白く染まっていった。




-2-




 視界が切り替わった先は見覚えのある[ 拠点 ]だった。チュートリアルでは結構な距離を歩いたのだが、それを一瞬にして移動出来てしまうのは、やはりファンタジーなのだろう。

 これをSFで考えてしまうと、俺という存在が分解されて転送されたとか、そもそも今の俺は本当にさっきまでの自分自身なのかと不安に苛まれて心身を病んでしまいそうなので、ファンタジーでいいのである。心の平穏を保つには曖昧さって大事だよな。


 [ チュートリアル攻略完了! 攻略ボーナスを獲得しました! ]


 直後、聞き慣れた声でアナウンスが入り、天井近くの宙に一枚のカードが出現した。攻略ボーナスであろうそのカードは光り、回転しながらゆっくりと俺の前へと落ちて来る。ゲームなどのイベントシーンで見かけそうな演出である。

 俺は如何にも手にとりなさいと言わんばかりのカードに手を伸ばさず、そのまま落ちていくのを眺めていた。


『なんでよっ!? 手にとりなさいよっ!!』

「うおっ!!」


 いつの間にか後ろにいた幼女二号が、そんな俺の行動に抗議してきた。

 だって、さっきまで話してた奴のアナウンスが聞こえたら困惑するだろう。決して、嫌がらせをしたかったとかそういう事ではないぞ。


『使い古されたお約束って、絵ヅラ的にはすごく大事だって実感するわ。まったくもう……はい』

「あ、どうも」


 幼女二号は律儀なのか、わざわざ床に落ちたカードを拾って渡してくれた。

 ……良く見れば、これまで手に入れたカードと色が違う。緑色ではなく、紫色のカードだ。


 [ マテリアライズ スーパーレア スキル/アクション ]


 確認してみれば、まさかのスーパーレアである。チュートリアルクリアで貰えるものだからなのだろうが、しばらく拝めそうにないレアリティだ。

 しかし、色が違うのはおそらくレアリティではなく分類の違いなのだろう。レアリティで違いを出すなら、レアであるブロマイドの時点で違っているのが普通だ。

 ……そういえば、あのブロマイドのカードどうしたっけ?


「マテリアライズって、ひょっとして、さっきカードからナイフに変えてたやつが使えるようになるって事か」

『そうよ。まあ、拠点ならそれ使わなくてもマテリアライズ自体は出来るんだけど、ダンジョン用って事でしょうね』


 つまり、このスキルがあればボールペンもカップラーメンも自在にカードからモノに変えられるってわけか。……どうやって使うかは分からんが、その説明もこれからもらえるんだろう。

 使い方さえ分かれば、ガチャとダンジョンを往復して、ガチャ引いてというローテーションも一応可能になる。ようやく無限餓死の危険から一歩前進だ。


『さて、じゃあお待ちかねのあんたの能力についての説明よ。チートってやつね』

「チート?」

『ズルとか反則とか語源的にはそんな感じだけど、ガチャ子からもらった特別な力って程度の意味で捉えとけばいいわ』

「いや、意味は知ってるが」


 俺が普段やってるゲームはどちらかといえばチートの本場みたいなもんだ。MOD全盛期になって最近は減ったが、中には最初からチートコードが含まれている場合さえある。

 創作的に使われている意味でももちろん知っている。何かしらの力をもらって異世界に行く話なんて昨今珍しくもないから、意味は当然分かる。分からないのは、俺がそんな力を貰っているのかって事だ。

 少なくとも、神様から説明は受けていない。


『何? そういうズルい事はしたくないってタイプだったの?』

「特にそういう拘りはない」


 対戦やオンライン前提のゲームでそれをやる奴は死ねばいいとか思っているが、オフラインや個人の範疇ならチートだろうがデータ改竄だろうが好きにすればいい。というか、MODの時点でチートみたいなもんだ。

 加えて、現実で生きるために力を貰えるというのならありがたい話だと思う。自重しないと痛いしっぺ返し喰らいそうだが、そういうものだという前提の元に行動すればいい。

 今、気にかかっているのはそんな根本的な部分ではない。


「死んで生き返ったり、ガチャ引くのが俺のチートみたいなもんだとばかり思ってたが」


 渋いチケット配布に渋い排出率だが、これだって有り得ないものを実現している事には変わりない。だから、そういうお約束はガチャのみで完結しているものとばかり考えていた。俺TUEEEしたければガチャで引けと。


『直結はしてるけどね。私はどっちかといえばこっちのテストのほうが目的なんじゃないかって思ってる。聞いたわけじゃないからただの予想だけど……まあ、見てみなさい』


 と、幼女二号が手を振ったかと思うと、空中にウインドウのようなものが現れた。それは、ウチの神様が最初に見せたニュース画面のようなもので、もっとシンプルなものだ。

 向こう側が透けて見えるウインドウはかなり大きいが、表示されているのは何か枠のようなものが複数。お約束なステータス画面かとも思ったが、それはどちらといえばカードゲームのフィールドのように見える。


「な、なんだこれ」

『ガチャ太郎のセッティング画面って言えば判り易いかしら』

「俺のセッティングって……車かなんかかよ」


 実は俺はサイボーグか何かになってて、改造が自在に出来るようになっているとか。確かに、電車事故でグチャグチャになってるわけだし、そこから復活する際に色々弄られてしまっていたとしておかしくはない。……それだったら、ゴブリンもどき相手に苦戦してないと思うんだが。

 いや、サイボーグはともかく、弄られてはいるのか。ただ、死んで生き返るような状況では今更感もあるが、こんなセッティング画面が出るような体じゃなかったはずだ。


『車みたいに工具はいらないし、パーツはカードだけどね。この枠の中にカードを置けば、あんた自身やこの拠点が強化される仕組みらしいわ』

「そういえば、カードらしきものがあるな」


 画面左端の枠にカードの裏地と同じデザインの絵がある。複数置かれているらしく、重なるようにして二枚だ。

 逆側にも二枚。こちらは表表示になっていて、部屋のド真ん中に鎮座してるガチャマシンと水飲み場のような絵が描かれたカードである。


『まず、ここがフリーゾーン。カードのまま保管しつつ、拠点とダンジョンの行き来もできるようにする枠ね』


 と言いつつ、左端の重なっているカード部分に触れる幼女二号。するとカードが表返り、画面が切り替わるようにウインドウ全体が一覧になった。

 ……表示されていたのは、先程手に入れたゴブリンチケットと……ブロマイドだ。いつの間にこんなところに。


『つまり、さっき私が投げて入れたのはここって事よ』

「自由に出し入れ出来るって事か……触っても?」

『いいんじゃない? 一応、あんたの体だし』

「それだと、逆に俺が痴漢されてる事になってしまうような……」

『あんたの体になんか興味ないわよっ!!』


 まあ、キャー痴漢!って警察駆け込んでも逮捕されるのは間違いなく俺だ。むしろ、全裸の変態が自首してきたと思われるかもしれない。

 実際、幼女二名共俺の全裸に興味があるような素振りはここまで欠片もなかった。見た目こそ似通っているが、別種の生命体相手ならそういうものなのだろう。そういうジャンルが好きな人もいるだろうが、異種姦は基本的にマイナージャンルである。


 痴漢かどうかはさておき、試しに手で触れてみると、ただの映像だと思っていたそれが実物の感触を伝えてきた。そのまま手を伸ばせばウインドウの奥にまでぬるりと手が入っていく。そのまま引っ張ってみると、カードとして手にとる事も出来てしまった。すごいな、こりゃ。

 ちなみに、どこか別の空間に繋がっているというわけではないらしく、腕はそのまま突き抜ける。ウインドウとカードだけが宙に浮かんでいる状態のようだ。テストがてら、拠点に転がっていた二枚を放り込んでみても問題なく入る。どうやら、明確にゾーンとやらの枠に入れない限りはフリーゾーンに入る仕組みで、適当に放り投げても問題なかった。


「4/10って表示されてるのは、上限があるって事か」

『そうみたいね。つまり、フリーゾーンを空にしてダンジョンに行っても最大10枚しか持って帰れないって事。逆に持ち込みも10枚が限度ってわけね』


 謎のゴブリンチケット一枚手に入れるために散々な体験をしてる身からすると10枚ですら埋まる気がしないんだが、実際には少ないと考えるべきなんだろう。

 これはRPGでいうところのアイテム枠だ。重量などで制限がつかない代わりにカードしか入れられず、明確な枚数として限界が決まっていると。


『それで、次にその隣のマテリアライズゾーン』


 これがアナウンスで言っていたマテリアライズシステムって事か。ガチャで生活を強要されている以上、必須に近い機能だから、存在は素直にありがたい。


『可能なカードであれば、ここに放り込めば物質化するみたいね』

「みたいって、そんなあやふやな」


 解説役として、それはどうなんだろうか。


『いや、ガチャ子にもらったマニュアルは一通り目は通したけど、私だって説明どころか見るのも初めてだし』

「他にこれを使える奴はいないって事か? 神様含めて?」

『ガチャ子は分からないけど、それ以外はいないんじゃないかしらね。良かったじゃない。オンリーワンよ』


 何が良いのかは知らんが、前例はないって考えたほうがいいらしいな。先駆者がいない道を歩くのが如何に大変かはこれから身を以て知る事になりそうだ。文字通り、切り開く事を強要される。

 ……だからこそ、テストが必要って話なのか?


「ってあれ? ここにマテリアライズの機能があるって事は、さっき貰ったスキルはいらないんじゃ……」


 レアリティこそスーパーだが、このシステムはその機能も内蔵している事になる。わざわざ無駄な能力を付加する意味はないだろうから、制限があるって事か? それとも、このカードありきのシステムだとか。


『さっきも言ったけど、マテリアライズゾーンは拠点でしか使えないみたい。ダンジョンでマテリアライズしたければ、スキルのほうを使いなさい』

「そういえば、そんな事言ってたな。……なんで?」

『さあ? そういう仕様だとしか……ひょっとしたら、これはベースゾーンと同じく拠点の機能なのかも』


 なんだか分からんが、使い分けが必要って事か。そもそも、ダンジョン内でマテリアライズしなきゃいけない状況ってどんな場面なのやら。

 装備品をフリーゾーンに入れて外で着替えるって事も考えたが、多分それは別にある枠の機能だろう。イクイップゾーンと表示されているのがその役目なんじゃないかと思う。


『じゃあ、順番的には反対側になるけど、次は右端のベースゾーン。ここにベースカードを入れるとこの拠点に施設が増えるみたい』

「施設ってのは……あのガチャマシンみたいな?」

『一応アレもその一種だけど、強制設置だから。水飲み場のほうは取り外せるみたいだけど』


 と言ってすでに配置されていたカードを一枚外すと、さっきまで拠点内にあった水飲み場が消えた。そして、それを元の枠に設置すれば再び出現する。

 ガチャマシンに関しては完全に固定で、良く見れば枠の色が違っていた。


『ガチャマシンは外せないから、実質ベースゾーンで使えるのは二枠ね』

「水飲み場ともう一つ設置できると。……フリーとか他のゾーンもだが、少なくない?」


 明らかに最低限度しかない気がする。まだ説明されていないスキルやイクイップだって、絶対に一枠じゃ足りないだろうに。


『それはガチャ太郎が頑張って増やすしかないわね』

「増やすったって……どうやって?」

『それはマニュアルに書いてなかったわ! でも増やせるとは書いてあった』


 文句を言うつもりはないが、胸を張って言う事ではない。

 水飲み場も大事だが、その他にも必須な施設はたくさんある。現状この部屋にはトイレすらないのだから、最低限文明的な生活を送る事さえ不可能だ。

 まさか、施設を増やすのも、それを置く枠を増やすのもガチャなのか。……ああ、部屋の改造権って言ったのはコレの事か。


『最悪、水飲み場くらいの大きさならマテリアライズするって手もあるんだけどね。そうすれば、枠も関係ないし』

「ああ、アレもカードなわけだから、物質化可能なのか。なら、そこまで問題でもない……のか?」

『ただ、一度マテリアライズしたらカードに戻せないから、邪魔になるかも』

「…………」


 今のところは気にするような問題でもないが、邪魔になって処分に困るって事も有り得るのか。タンス程度ならともかく、巨大な施設……たとえば自販機などが鎮座し続けるのは困るかもしれない。すぐに埋まりそうだ。

 ほとんど何もないから感じないが、この拠点も広いってわけでもないしな。考えるのは他のベースカードを手に入れてからでも遅くはないが、良く考えて行動すべきだな。




-3-




 そんな感じで説明は続く。フリー、マテリアライズ、ベースと来て、残りは二つだ。


『それで、次はイクイップゾーン。ここにセットしたイクイップカードは拠点を出た時点で自動的に装備されるの』

「マテリアライズして装備するのと何が違うんだ?」


 そりゃ物質化した後に持ち出す事は出来ないが、フリーゾーンに入れておけばマテリアライズ出来るはずだ。それだけなら、持ち出す枚数が増やせるくらいしかメリットがないな。


『ここにセットしたカードは、拠点を出て装備が出現してもカードのままなのよ。マテリアライズしたアイテムは持って帰れないけど、カードのままなら何回も使えるって事ね』

「ああ、なるほど。使い捨てにしなくて済むと」

『装備が壊れたらカードもなくなるみたいだけどね』


 確かに、それならマテリアライズの必要はない。毎回イクイップカードを用意して、ダンジョンに行く度に着替えて使い捨てってなるよりは遥かにいい。

 ……いや、枠の問題があるな。今、目の前のウインドウにはイクイップゾーンは1枠しか存在しない。これでは武器か防具か、服を装備しただけで終了だ。そんなに俺に全裸でいさせたいのか。

 例えば防具だけ手に入ったとしても、それだけしかセットできなければ素肌の上に直接防具という、無駄にセクシーな事になってしまう。上下一体型ではなく、セパレートのセットだったらビキニアーマー戦士の誕生だ。くそ、動画実況の神が喜びそうなネタ動画が爆誕してしまう。……そんなネタ的な状況でも、有用な装備であれば選択せざるを得ないんだろうな。ネタじゃなくても、素肌に金属鎧とか痛そうだ。


『スキルゾーンは、セットしたスキルがダンジョン内で使えるようになる。それで最後のユニットゾーンはペットとかの枠ね』

「まさか、猫やら兎をダンジョンに連れていくって話になったり……」

『ペットはダンジョンには行けない制限があるみたいだけど、それ以外にも戦力になりそうなユニットはいるんじゃない?』


 むしろ、ペットは連れていきたくないのだ。もしも目の前で死なれたら立ち直れない。……明言こそしてないが、装備が壊れてカードがなくなるなら、ユニットが死んだってなくなるだろう。

 ユニットカードが消滅するのか、ちゃんと確認したほうがいいのだろうか。そりゃ確認すべきだよな。いやしかし、はっきりと言われてしまったら色々と辛いものが……。


『ユニットの種類については情報がないけど、死んだらなくなるって注意書きがあったから、連れていけるユニットもいるんでしょうね』

「お、おう」


 明言されてしまった。親切心のつもりかもしれないが、微妙にショックである。

 ……これが、あのゴブリンもどきみたいな奴だったら遠慮なく使い捨て出来るんだが……出来るか? 一緒に戦ってる内に情が移ったりしないだろうか。


「そういえば、あのゴブリンチケットでゴブリンがユニットで出てきたりとか」

『出てくるかもね。意味は良く分からないけど、アレってゴブリンピックアップ状態でガチャが引けるっていう話だし』


 まさか、あのもどきと一緒に戦う事になる可能性があるのか。もしそうなったら情が移らないようにしなければ……とはいえ、役に立つのか? 一度殺された俺が言うのもなんだが、戦闘経験のない全裸の現代人に負ける程度の奴だぞ。用途としては囮か、肉壁か……やはり情が湧くのはまずいな。


『チケットのほうは置いておいて、とりあえずあんたの能力については説明終わり。なんか質問あるかしら?』

「そうだな。えーと、このウインドウの名前とか」

『自分で付ければいいんじゃない? ニコニコウインドウとか』

「なんでも動画実況に結び付けないで貰えますかね」


 もしもダンジョン探索しててコメントが流れてきたりしたら、精神負荷は計り知れない。


「あっ、このウインドウの開き方とか」

『ああ、忘れてたわ』


 忘れるんじゃねーよ。もし開き方が分からないまま放置されたら、本気で詰む可能性があるぞ。


『といっても、このウインドウをイメージして開けーとかオープンって感じで念じれば開くんだけど』

「んなアバウトな。じゃ、ステータス・オープンとでも……言えば……」


 俺がそう言った瞬間、宙にウインドウが開いた。今まで開いていたウインドウとは別に。……なんだこれ。


『そのステータス・ウインドウはまた別ね』

「ステータスがあるのかよっ!?」


 間違って開いてしまったウインドウに表示されているのは、名前やら、RPG的な視覚化した能力値だ。力、敏捷、器用、体力と……魔力、抵抗が並んでるが何故か全部10。HPやMPもあって、この二つは100。まさか、こんなフラットな数値が俺の能力だというのか。


『そっちは別に説明するから、まずはこっち終わらせない?』

「あ、ああ、ちょっと待ってくれ」


 定番といえば定番だが、ないと思っていたものが突然現れて動揺してしまった。

 確かに説明にも段取りがあるのだろうと、絶対に必須と思われるウインドウの開閉練習をしてみる。しかし、意外というかなんというか、ウインドウは特に苦労する事もなく二つとも自在自在に開閉できた。視界内であれば出現させる場所も思いのままだ。切羽詰まった状況で咄嗟に出せるかは自信ないが、平時であればとりあえず問題はなさそうである。


 というわけで、説明に加えて質疑応答を繰り返して分かった、俺のカードをセットする能力はまとめてみると以下の通り。


■謎のウインドウ能力まとめ

 ガチャやダンジョンで手に入れたカードを保管、あるいはセットする場所。セットする場所によって様々な効果がある。


・フリーゾーン:枠は1つで、上限10枚まで重ねられる。カードであればなんでもセット出来るアイテム収納的なゾーン。

・マテリアライズゾーン:カードを物質化するためのゾーン。テストとしてボールペンをマテリアライズしてみたら、もう一つ枠が出現してそこから取り出す事ができた。そこが埋まっていると追加する事はできないらしい。

・イクイップゾーン:枠は1。俺の装備品をセットするためのゾーンらしい。カードのまま使い回す事ができる。

・スキルゾーン:枠は1。ここにセットすればダンジョン内でマテリアライズなどのスキルを使えるようになる。

・ユニットゾーン:枠は1。ペットやらなんやらのユニットを追加するためのゾーン。

・ベースゾーン:枠は3で、その内一つはガチャマシン固定。カードをセットすると拠点に家具などが設置される


 未確認だが示唆されている情報としては……。

・各ゾーンの枠や上限枚数は増やせる。

・ここにセットしたカードはダンジョンに持ち出せる。

・ダンジョンで手に入れたカードを持ち帰るにはここにセットする必要がある。それ以外は転送・死亡に関わらず帰還時に失われる。

・マテリアライズゾーンは拠点でしか使用できない。

・セットしたカードはダンジョン内では固定化され、取り外しが出来ない。空いている枠へ新たにセットする事は可能。

・イクイップカードに設定された耐久値が全損、ユニットカードで呼び出したユニットが死亡した場合、カードは失われる。

・消耗品扱いのカードも使用すれば失われる。


 そして、先ほど間違って開いたステータスに連動する仕様として……。


「カードをセットすると最大MPが減ると」

『イクイップ、スキル、ユニットだけだけどね。多分、ダンジョンでの活動に関連するものはコストが必要とかそんな感じじゃないかしら』


 スキルやイクイップをセットして、強化した状態でダンジョンに挑むなら、その分最大MPが減る。探索ユニットを追加しても減る。レアリティだけで決まるわけじゃないらしいが、高レア、高性能なカードほどコストは高くなる傾向があるそうだ。つまり、あまり強力な力は扱えないと。

 試しに唯一獲得しているスキルである《 マテリアライズ 》をセットしてみれば、俺の最大MPは80になっていた。MPを使用する手段がない状況だと、コストが20というのは多いのか少ないのか判断に困るところだな。

 セットするだけでなく、実際に発動する際にはまたMPが必要になるらしいし、ここら辺は実際に運用してみて調整する必要があるだろう。マテリアライズしかない状況ではロクに検証もできない。


『で、次はそっちのステータスについてなんだけど』

「ああ、ゲームなら分かるが、実際に数値化すると意味不明だよな」


 < 力 >が上がると腕力が強くなるとして脚力はどうなんだとか、それは< 敏捷 >じゃないのかとか、< HP >が0になったら死ぬのかとか。

 ユーザビリティのために単純化する必要のあるゲームならともかく、人体の構造ってそう単純ではないだろう。実際には総合的には判断して、内部で複雑な計算をした上で表示している可能性もあるが、それならそれでこんなフラットになるのはおかしい。有り得るとするなら、俺という個人が基本になっているという場合だろうか。ガチャ子様の使徒は一人なのだから、有り得ない話ではないが。


『実は、今の時点だとそっちは話せる事あんまりないのよね』

「……非公開情報って事か?」

『攻略が進んだら情報公開の許可が出るみたい。今話せるのって、< 力 >が上がったら攻撃力が上がるぞーとか、見て想像出来る範疇の事だけよ』

「ある程度慣れてきたらまたあんたが出てきて説明してくれると」

『私とは限らないけどね。別にあんたの担当ってわけじゃないし、ガチャ子がいるならそっちが優先だろうし』


 ふむ、話しやすさなら間違いなく幼女二号なんだが、俺の上司はガチャの神様なんだから、役割的にはそれが正しいのだろう。

 どうも必要な情報しか渡されていないみたいだし、聞きたい事がはっきりしているなら質疑応答はあちらのほうがいいのかもしれない。話を聞く限り、悪人でもいじわるする性格でもなく、そういう目的があって俺をここに連れてきたわけでもないっぽいからな。


「どうやったら数値が上がるのかとかも非公開?」

『それは言えるわね……ガチャよ!』

「……ガチャかー」


 結局そこに行き着くわけだ。ガチャ神の使徒なんだから当然といえば当然なのかもしれないが、不安しかない。




-4-




『それじゃ、後はそのガチャで手に入れたゴブリンチケットで回してみなさいよ』

「ゴブリンピックアップになるとか言ってたが、詳細の説明はなしで?」

『私も知らないしね。でも、あんたが爆死する姿には興味あるわ』

「爆死というか、そもそもロクなものが当たりそうな気配すらないんだが」


 想像するだけでもコモンの量が異常過ぎる。せめてレア以上……アンコモン以上確定とかならマシだと思うんだが。


「万が一ゴブリンが出現したりしたら、倒すの手伝ってくれたりとかするんでしょうか」

『それは心配しなくてもいいんじゃない? 出てくるのカードよ』

「あ、そうか」


 ガチャでゴブリンが出てきていきなり襲いかかってくる事を懸念していたが、それは有り得ない。

 ユニットゾーンに設置か、あるいはマテリアライズ……出来るかは知らんが、そういう手順を踏まなければカードのままだ。それで何が出来るわけでもないか。


 というわけで、ウインドウにしまっていたゴブリンチケットをガチャマシンに投入。画面が点灯し、[ ゴブリンチケットでガチャを回しますか ]というメッセージが出力される。

 メッセージが違うのは、ノーマルチケットとは別の扱いという事なのだろう。試せはしないが、一緒に入れたら選択式になるのかもしれない。

 今は特に悩む必要もないので、[ YES ]のボタンをタッチ。すると、前回見たような演出が始まり、デフォルメされた神様が表示される。ピックアップでも演出は一緒なのか?


『ガチャ子ね。なんて自己主張の強い……私も出すように言っておかないと』


 自己主張の塊のような動画実況の神様に言われたくはないと思うが。


「ん、なんだこれ?」


 微妙に長い演出を眺めていると、途中から前回と違うものである事が分かる。なんと、神様がボールを投げずに、横からゴブリンが出現したのだ。


『ゴブリンピックアップの演出ってヤツじゃない?』

「という事は、まさか懸念していたゴブリンそのものが排出されると……」

『いや、それは知らないけど』


 さっき殴り殺したもどきと再会してしまうのだろうか。そのまま捨ててもいいかな。

 画面上の神様が、近付いて来たゴブリンを蹴り飛ばして掴み、こちらに投げてくる。まさか、ボールの代わりなのか。

 そしてゴブリンが画面に激突して光り、同じようにアイテムの表示が……いや、前回よりもちょっとだけ豪華な演出が……。まさか、これはコモンじゃないって事なんじゃ!?


 [ ゴブリンの蛮族棒 アンコモン イクイップ/ウエポン ]


 デカデカと画面上に表示された棍棒を見て、俺はどう反応していいか困惑していた。なんだこれは、喜べばいいのか。確かにゴブリン由来のものらしいし、有用ではあるが……。


「よ、良かったじゃない。ほら、素人は剣とか槍とかよりも鈍器のほうが扱い易いっていうし」


 幼女二号もネタとして扱うにも微妙な結果に困惑しているのか、マイクを通さずにフォローを入れてくる。

 無手よりは遥かにいいだろうからそりゃ使うが、全裸に棍棒か。ゴブリンのものって事で、更に文明から遠ざかった気がしてならない。蛮族化が進みそうだ。


『まあ、それでモンスター殴り飛ばしてチケット稼ぐのね。そんじゃそろそろ私はお暇させてもらうわっ!』

「ああ、お疲れ様です」


 芸人殺しな展開に対し、逃げるように別れを切り出す幼女二号。転送のエフェクトなのか、体が光り始めた。


『あ、使徒候補の話忘れないでよね! しばらくしたら催促に来るからね!!』


 消える際、そんな事を言い出したが、完全に忘れていた。……催促されても、元の世界に戻れない事には話にならないわけだが。

 マシンから排出された[ ゴブリンの蛮族棒 ]のカードを受け取りながら、先は長そうだと実感した。


「……腹減ったな」


 チュートリアルが終わり、その代名詞的な存在が去った事で緊張が解けたのか、急に空腹感が襲って来た。

 といっても、今ある食料は[ カップラーメン ]が一つだから選択肢はない。ウインドウを開き、それをマテリアライズゾーンに放り込むと、排出口に見慣れたカップ麺が出現する。

 食料一つにどんだけ苦労してんだよって感じではあるが、確かに前進した感はあるな。感無量である。

 そして、カップ麺を手にしたところで、ある事に気付いた。


「お湯がない」


 いや、気付いてはいたはずなのだが、忘れていた。というか、箸もない。

 水はあるが……これを入れたところで食えるようになるのだろうか。下手したら何も入れないより不味くなるんじゃ……。


「……齧るか」


 俺も随分野性的になったもんだと、泣きそうな気分でカップラーメンの中身を取り出す。

 そして、これを食ったらチケット稼ぎに行こうと前向きな事を考えていた事に気付くのだった。





尚、水でも作れない事はないそうな。(*´∀`*)

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