おまけ.女子高生(おっさん)と地下ドルの名前〈※会話のみ〉
〈波澄アシュナ自室〉
「え? 【吉良星星星】って芸名なの?」
「それはそうですよ……常識的に考えて『星星星』なんて名前つける親なんて絶縁されますよ」
「確かに……いや、芸名でもどうかと思うけど……」
「まだこれは良い方ですよ……星三つだから【星星星】なんて案もありましたし……星四つにして【星星星星】なんて案も……」
「吉良 すーしんちゅう」
「ぶふっ! 真顔で言わないでくださいよっ!」
「うちのクラスの男子共は吉良ちゃんの事を芸名で言ってたけど本名は教えてないの?」
「はい、学校でも先生とかに言って芸名で通してもらってます。だから本名知ってる人の方が少ないんですよ」
「じゃあ……本名はなんていうの?」
「……誰にも言わないでくださいね? 【吉良綺羅星】です」
「綺羅星ちゃん? え? 絶対そっちの方が可愛いと思うんだけど……そのまま本名でデビューするのはダメだったの?」
「今となってはそう思うんですけど、当時はこの名前が嫌いだったんです。ふふっ、よく男子にキラキラ星ってからかわれて……」
「そっかー……お互い名前で苦労してるんだね」
「え、師匠もですか?」
「うん、うちは妹の名付けもお母さんだったんだけど……ママンはちょっと変人で……二人とも物心ついた時には抗議したなぁ……」
「確か……【マナ】ちゃん……でしたよね? 師匠はともかくマナちゃんは普通だと思うんですが……」
「【魔樹】って書くんだマナって……ファンタジーなんかだと魔法の源の力は大抵マナって呼んだりするからって……そしてマナを産み出すのは『世界樹』って相場が決まってるから……」
「……あぁ……マナってそういう……じゃあ師匠の【阿修凪】の由来は……?」
「物理攻撃っぽい【阿修羅】からって……さすがにお父さんが『女の子に阿修羅はやめてくれ』ってとめてくれて……」
「………」
「魔法はマナが担当……物理攻撃は阿修羅の私担当って……次の子は【召喚術】担当にしようって張り切ってる……ゲーマーなんだお母さん……」
「…………大変ですね……」