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54.女子高生(おっさん)の新クラス


 新緑芽吹き、桜の花舞う新学期。

 身体は女子高生、心と生態はおっさんのニュータイプコ○ン君こと俺──【波澄アシュナ】は無事高校二年へ進級した。高校二年の女子高生といえば、若干ロリコン気味のおっさんのどストライク時期で……周囲を見渡せば半熟ともいえる女子生徒がわんさかいるので興奮を禁じ得ない。正に楽園といえるだろう。

 そして逆に注意もしなければならない。自分自身もそんなロリコンから狙われる対象の一人なのだ。女子として生を受けたこの世界線では、呼吸をするかの如く様々な層からモテまくっている。

 しかし、心はあくまでおっさんなので女の子以外から愛情を向けられるのはNO THANK YOUだ。悪い気はしないけど……おっさんが好きなのは勿論、女子だけなのだ。


〈2-A組 教室〉


「おっはよー♪ アシュナっ! また同じクラスだよー良かったー!」


 新クラスでは再び仲良く《陽キャ三女傑》と一緒だった。おっさんにとっても三人と一緒はありがたい……人見知り陰キャであり、新しいことにチャレンジする気力のなくなったおっさんである俺に『新しく友達をつくる』など拷問に等しい。この三人がいればぼっちにはならないし、おっぱいもよく見れる。


 四人で戯れていると、見慣れた集団が声をかけてきた。


「ぁ……アシュナ殿っ! 此度は同クラスになり感激の極みでござるぞっ!」

「や、やぁアシュナちゃん……一緒のクラスだね」


 ケンら【小説同好会】のメンバーが全員いた。皆と一緒になることは前世ではなかったため、これは嬉しい誤算だ。


「アシュナの部活の友達? よろしくねー♪」

「ぉ……ぉうふっ……ぃょ、ょろしく……でごじゃる……」


 この世の陰と陽を表すかのような、見事な初対面の挨拶を果たしたヒナヒナ達とケン達。中々に飽きないクラスになりそうだ。


「あー、アシュナっちまた一緒じゃん♪ よろー」

「アッ……アシュナちゃんっ! わた、私も一緒だよっ」


 ギャルのミクミクは再び同クラス、幼なじみの察して系面倒女子のエナまでいた。


「あ、姐さん! 良かったー、アシュナ姐さんと別クラスだったら俺らマジ生きる糧失うとこだったよー」


 その場のノリで生きている、お馴染みのサッカー部イケメン陽キャ達も来て俺の周囲は大にぎわいだ。なにこのご都合主義の全員集合クラス、最終章でも迎えるのかな?


 

 

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