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47.女子高生(おっさん)とお嬢様の秋葉原巡り-④


〈メイドカフェ『煮つめた佃煮(つくだに)』〉


「お帰りなさいませ、ご主人さまっ♪」

《うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!》


 開店したメイドカフェは盛況を極めた。スレに『女神』の居場所を書き込んだら、ここぞとばかりにオタク達が集まったのだ。

 

「おいしくな~れっ、萌え萌えきゅんっ………ぅっぷ」

《か……可愛すぎるっ………アシュナちゃん、神!!》


 未だにおっさんだったかつての自分の姿が脳裏から抜けきらないため、吐き気を催しながら可愛いポーズをしてもなんとか堪える、全ては前世での俺にとっての天使ーーりらんちゃんのために。

 

「す……凄い……なにも教えてないのに……セリフも動きも完全に熟知して御主人様たちの心を完全に掴んでるっ……凄いですアシュナさんっ!」

「当然ですわ、ですがアシュナの人心掌握術はなにも容姿や動作だけではありませんことよ?」


 めらぎはメイドカフェ未経験のため、りらんちゃんのサポートという形でつく事になったが……どうやら二人とも暇なようで手持ちぶさたに話し合っていた。

 それもそのはずーーオタク達は全員俺(アシュナ)に群がっているから。


 俺は俺で同士達の集いの中でホーム感を味わい、ついつい話が弾む。


「えっ、凄いっ! これってプレイヤー限定のプレミアム缶バッジじゃないですかぁ!」

《でゅふふ……く、詳しいねアシュナちゃん……欲しいならあげるよ……》

「いいんですかぁっ!? ずっと探してたんですっ! ありがとうございますっ!」

《くふぉうっ……! て……手ぇ握られちゃった……すごくいい匂い……もう手ぇ洗わないぞ……》

《あ、アシュナちゃんっ! 僕もほらっレアものっ……》

「あっ! 絶クリのルナちゃん99年のフィギュア!? これ将来プレミアついてっ……絶対つくやつですよ! この可動領域の絶妙な職人技がルナちゃんの絶対領域をリアルに再現しててーー」

《おほぉうっ……造詣の深いオタク女子のメイド……素晴らしすぎるっ……こんなに寄り添われたの初めて……僕ここ毎日通いますっ……!》


 素晴らしい戦利品を身につけた彼らに、ついつい距離を詰めて語ってしまう。


「ご……御主人様たちとすぐに打ち解けてる……友達みたいに……」

「あれだけの美貌でありながら男どもとも距離をあけずに談笑できる女性はアシュナだけでしょう……あぁっ! いくらなんでも近すぎますわっ! 汚らわしい野獣がっ……アシュナは私のですのよっ!?」

「お……落ち着いてめらぎさんっ! お仕事だからっ!」

《おい! あのメイドを映せ! メイドカフェ特集はやめてあの子メインで特集を組むぞ!!》

《はいっ!!》


 いつの間にか来店していたTVクルーがなにやら騒ぎ出し、ディレクターと名乗る男が出演交渉してきた。


「タイトルは【美少女すぎる女子高生アシュナちゃんの軌跡】でゴールデンタイムに2時間の放送枠で……」

「2時間!?」


 大袈裟すぎるし、お店に悪いのでさすがにお断りした。

    



 

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― 新着の感想 ―
[一言] この頃の強いオタク達は今頃もうオタクやめて家庭持ってるんだろうな
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