まったり休み?
色々あった体育祭の数日後、三連休があった。
僕が会社で働いている時とかは、三連休のうち2日も仕事行くことがほとんどだった。
当然、七緒も休み。そしてこの三日間は葵も休みらしい。そう、みんな休みの日。
つまり。三人でまったり休日だ〜!
まずは・・・
三人でショッピングモールに行くことになった。
ただ行くだけじゃ無い。今日はタマも一緒なんだ!
そう、いつものお姉さん形態でね。
『ほう。ここがゆうの言っていた「しょっぴんぐもーる」というやつなのじゃな!大きくて、凄いな。昔はな、こんな無かったから新鮮なのじゃ!』
むかし?そういや、タマは何歳くらいなのだろか。少し気になるな・・・
まぁ、とりあえず楽しそうで良かった。
「せっかくだし、タマの服も買おっか!」
『嬉しいのじゃ!』
歩きながら最初の服屋のところまで来た。
女性服屋か、なんか犯罪の香りがするぞ。
だが、仕方ない。ここで服を買わなければ。
『こんな服とか、ええんちゃうの?』
ん、誰の声だ?
「狐。突然どうしたの?」
あ、狐か!七緒はもう分かるんだ。
それにしてもこの狐、なんで今更出てくるんだろ。
『名乗り遅れたのだが、俺様の名前は九尾だ。よろしくな。前は悪かったよ。今日はただ、お前らと一緒に楽しみたいだけだよ。」
なんだこいつ、結構可愛いじゃないか。
そういや、こいつもタマみたいに人の姿になれるんだろうか?
なれるのだったら、なって欲しい。だって、狐のままだと怪しいからな。
『なれるぞ、ほれ。どうや、俺のこの姿は。』
えっ。心読まれた!
それはそうと、結構いい見た目をしている。タマみたいに女の人じゃなく、男子になった。狐耳が生えている、可愛いショタって感じだ。
「おまえ、案外可愛いな。」
『ふ、ふん!別に嬉しかなんかねぇからな!』
属性盛り盛りじゃねぇか。
それなら、狐の服も買わないとだ。それにタマの服も。たくさん買わないと。
まずは、今いる女性服屋で、タマ、七緒、僕の服を買わなきゃだ。
見てみるとお洒落な服が沢山あって、楽しい。女性がよく服屋に居る理由が分かってきた。
「楽しい?タマ。」
『楽しいぞ、ゆう!昔は無かった着物が沢山あるのじゃ!もっと見たいのじゃ!』
タマ、洋服と着物を勘違いしちゃってる。
それは、それで可愛いからヨシ!
というか、また昔って言ってたけど・・・まぁいっか。
その後は、何事も無く買い物が終わった・・・・・・・・・
はずだったが、突然に道案内を頼まれた。
とても唯ならぬ殺気を放っている人に頼まれた。というか人間か、この人?
タマもなんか驚いてる。狐も。そのくらい。
「あの〜、すいまへん。この茶屋はどこにあるんですか?」
「こ、ここですか?これは、(以下略)」
「ありがとうな〜。やけど、一人やとまた分からなくなるから着いて来てくれ。」
(どうしようタマ、付いて行っていいのかな?!)
『ゆう。とりあえず言われた通りにするのじゃ。まずは、落ち着くのじゃ。』
数十分後
「つ、着きました。ここが、探してた場所です。」
「ありがとうな。あ、そうや。お前、名前はなんて言うんじゃ?」
「ね、猫田優里です…。」
「わしは、神だ。覚えておいてくれ」
か、神?
「せっかくやし、お前らに着いてっても良いかな?ひとりやと寂しいし、ちょうど良いとおもってな。どうやろうか?」
「は、はい・・・」
「良かった、なら着いていくぞ。」
ということで、この人も着いてくることになった。
なんと、七緒もこの殺気を感じ取っているようだ。
だが、葵はそれを感じ取って無い様に見える。
そのままこの人と歩いたが、全く会話が出来ない。
妙に緊張してしまう。まるで、神社でお参りしてる時みたいな感覚がする。
そういえば、さっき自分の事を神って言ってたが、どういう事なんだろうか?聞いてみよう。
「さっき自分のこと神って言ってたけど、どういうことなんですか?」
「ん?驚かせてしもうたか。言葉の通り、わしは神じゃぞ。神社から来たのだぞ。」
本当に神?じゃあ、僕にかかった術も分かるのか?
「神さん。僕に違和感ない?」
「そうじゃな・・・まず、お前男じゃろう。そして若くもなっておる。元は、30歳くらいじゃろう。それに獣化もしてあるな。」
全部バレてるだと・・・?!
「あ〜。今日来た理由がそれなんじゃよ。お前さんにかかった術を確認しに来たんじゃよ。という事で、来い猫又!」
『ギクっ!ひゅーひゅー。』
「しらばっくれても無駄じゃぞ。お前も分かってるじゃろうが、今はこの術を完全には解けないんじゃ。まぁ、主人に恩返しをしたい気持ちはとても分かるんじゃが、これだと主人が大変じゃろう。」
『わ、分かったのじゃ。ごめんなのじゃ、ゆう。』
「いやいや、大丈夫だよ。それどころか、この体になってから、沢山友達出来たし、葵と七緒といられる事多くなったし。それに、タマと一緒に暮らせてるから幸せだよ。」
『ゆ、ゆう〜!ありがとうなのじゃ!これからもよろしくなのじゃぁ〜。』ナデナデ。
可愛いな・・・
「これじゃと、心配する必要がなかったな。今日は一緒に店を回るが、また困った事あったらよぶのじゃぞ。分かったか。」
「はい。」
これにて、波乱万丈な休日が終わった。