土鍋を作ろうと粘土掘りに行ったら、第1村人を発見した①
その後、オレは多少カクッと頭が垂れることはあったものの、完全に寝ることもなく次の日の夜明けを迎えた。
焚き火は既に消えていた。別にそのまま火を燃やし続けることは出来たが、することがないのでオレ自身が消したのだ。暖を取るほど寒くもなかったしな。
もっとも、消す前に、オレは試しにもう一度火打石で火を点けれるかを確認し、無事に点けることがてきた上でのことだ。
さて、オレはすることがなかった夜間、4日目に何をすべきかを考えた。が、やはり火を織せるようになった今、次は飲み水を確保するべきだろうと判断した。
そして竹がないこの世界、たぶんな、土鍋を作ることにした。土鍋を作るには粘土が必要だろう。粘土を捏ねて土鍋の成形し、焼く、すなわち陶芸をこれからやろうってわけだ。
と言ってもオレの陶芸に関する知識は今言ったことの他には、小学生の時の図工の授業だったか、学校の慣習だったかは知らないが、毎年の終わり、つまりは冬休み前に、先生の指導の元でみんなで粘土で陶器のお皿やら置物やらを作って、給食室と用務員室の間にあった燃焼窯って言うのかな?その燃焼窯に入れて焼いてもらった覚えがあるんだ。
皿でも湯呑みでも、花瓶でも置物でも、何でも好きに作って良かったんだ。でも児童一人当たりに使ってもいい粘土の量が決まっていたから、そんなに大きな物とか凝った物は作れなかったんだけどな。
冬休み前に製作して、先生たちが窯に入れてくれて、冬休みの間に焼いててくれるんだ。だからオレたちが冬休みが終わって登校初日は、始業式やホームルームなんかをやった後は、真っ先に皆で燃焼窯のところまで先生と一緒になって出来上がった作品を取りに行くのが恒例だったんだ。
だからこの学校出身の児童たちは、毎年1個ずつそういった物が増えていったんだ。たぶん今でもオレの家のどこかに眠っているだろう。もちろん、兄貴もオレと同じ小学校だったらか、兄貴のもあるだろう。まだ、あの小学校はこのイベントやってんのかな?
粘土は市販の物で非常にキレイなモンだったから、自然の中にあるどんな土を使えばいいのかはオレには分からないが、粘土質の土だったら何となくは分かるだろう。
形は何も土鍋じゃなくてもいい。水を汲めて沸騰させることができれば深い皿状の物でもいいし、大きな湯呑みみたいな物でもいい。だが今後、料理することまでを考えて、オレは土鍋を作ることにしたんだ。
だが、問題は、燃焼窯だ。
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2021.8.27 Fri. 1:09 初投稿