表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リアル異世界転移 お約束のチートはないんかい!  作者: 木浦木ロロ
ここは異世界?
60/1027

手当たり次第に火打石を探してみた①

オレは結局のところ、アイツの見た目かわいさにすっかり(ほど)されてしまったわけだが、それも仕方がないことなのかもしれないと思っている。なにしろ、アイツはオレがこの異世界にきて初めて遭遇した、生き物らしい生き物だったんだから。あ、虫とかはカウント(がい)だから!


もしかしたら、この世界にアイツしかいないって可能性もある・・・。まぁ、じゃあ、アイツはどうやって生まれてきたんだって話にもなるから、やはり最低でも他にもナマケモノがいると考えるのが自然だ。


正直、オレは、今寂しいんだと思う。不安なのは確かだ。それに体を動かしてないと、余計なことをつい考えてしまうのは仕方がない。あっちの世界のこと。親父やおふくろ、兄貴や従姉妹たち、叔母ちゃんや義叔父(おじ)ちゃん、ばあちゃんやじぃちゃん・・・、友人や仕事の同僚や上司・・・、そしてやっぱり未練があるのか元カノのこととか。


考えたら泣きたくなるから、オレは極力考えないようにしてはいるんだが、ふとした瞬間にまた彼らのことが頭を(よぎ)ってしょうがない。


ふぅ。


アイツ、助けてやったらペットにならんかな?


そんなことを考えながら、オレはアイツが防護ネットに(から)まったままのケツを見上げながら、その下を通りすぎて小川へと向かった。歩きながら、オレはアイツを助けると決めたんなら、リンゴの収穫は明日でも良かったんじゃないかと気づきはした。


何せ、背中のバックパックが重いし、たすき掛けの紐も幅太(はばぶと)で作っておいたのに、オレの肩や背中の肉や胸筋(きょうきん)に食い込んで痛い・・・。これはさらに太くする必要があるだろう。


バックパックをその辺に転がしておこうかとも思ったんだが、虫が付いたらイヤだからな。


小川に到着したオレは、大きめな石の上に石槍を置き、それを押さえるようにバックパックを乗せた。アイツを助けると自分で決めたのだから、今日明日はまだここからそんなに離れることができなくなった。


どうしてもアイツをあのままにしてここを離れることができないオレは、やっぱりどこか甘ちゃんなんだろうな・・・。


さて、オレはここで何をするかというと、火打石を探すつもりなんだ。どれが火打石になるのか分からないから、手当たり次第、できるだけ黒っぽい石を打ち合わせて探すつもりだ。


マッチやライターのなかった時代は、火打石を使っていたんだろう?ってことは火打石って、そんじょそこらにある石でいいんじゃないか?もし、そうでなければ、火打石が捕れる場所までわざわざ出かけなきゃならないし、昔は車や電車なんかないから、それほど遠くない場所にあったはずだ。そういった人たちがあちこちに住んでたわけだから、それぞれに遠くない場所があるんなら、けっこうあちこりにあると考えたんだが?


というわけで、今日はこのあたりを徹底的に探すつもりだ。


だが、あれって見たことないけどホントに火花が散るもんなんだろうか?

【作者より】


【更新履歴】

2021.8.26 Thurs. 11:37 初投稿

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ
OSZAR »